Fabrics and materials

衣類が地球環境に与える総合的な負荷は素材選びによって大きく変わります。Houdiniで採用している生地とその処理方法、また避けるべきものについて詳しく紹介します。

私たちの循環に対する理念、そして製品の機能性と持続可能性を向上させようとする意欲的な取り組みは、多くの革新的なプロジェクトを生み出します。そこには、新しい素材や技術の開発、または既存の繊維や処理方法の改良、製造工程の改善などが含まれます。これらのひとつひとつのプロセスが私たちの視野を広げ、慣習的なやり方に囚われない柔軟なアイデアをもたらし、優れたソリューションを設計することを可能にするのです。

“ポリエステルは品質を落とさずに何度でもリサイクルできる循環型の素材”

Synthetic fibers

Houdini製品は、その大半がポリエステル製です。繊維として、ポリエステルは高い耐久性、速乾性や透湿性など優れた特性を備えていますが、そういったメリットを損なうことなく、何度でも新たなポリエステル繊維に蘇らせることができます。Houdiniのポリエステル製プロダクトのほとんどはリサイクルポリエステルで作られており、製品の多くは着古したらまたリサイクルが可能なものです。ポリエステル製衣類はお手入れが簡単で、すぐに乾くという点も環境配慮型といえるでしょう。また、リサイクルポリエステルは他の繊維に比べて製造過程における水の消費量が少なく、責任あるサプライヤーと緊密なパートナーシップを結ぶことで、さらに持続可能な方法で生産を行うことが可能です。こうしたリサイクル製品およびリサイクル可能な製品の実現により、環境へのダメージを最小限に抑えながらも、アウトドアウエアとして最大限の機能性を提供するという目標に近づくことができました。

“生分解性あるいはリサイクル可能という特性を確実なものにするため、天然繊維と合成繊維は決して混ぜません”

Natural fibers

天然繊維の製品では、主にメリノウールを使用しています。メリノウールもたくさんの優れた特性を備えた素材です。汗で湿ったとしても身体を冷やさず、バクテリアを寄せ付けない天然の抗菌作用があるので不快な匂いを発しません。さらに、ウール製品の耐久性を高め、透湿性や着心地を向上させるために、テンセル® リヨセルなど他の天然繊維を混紡することがあります。また、生分解可能、リサイクル可能という循環型の衣類であることを確実なものにするため、天然繊維と合成繊維を決して混ぜることはありません。

Bluesign® member

Houdiniはブルーサイン®のメンバーであり、現在、新しい製造業者はその化学基準に準拠する必要があります。ブルーサイン®は、環境、労働、消費者の観点における持続可能なサプライチェーンを経た製品に付与される認証のことで、資源の生産性、消費者の安全性、排水、排気、労働安全衛生の5原則から成り立つ認証システムです。このブルーサイン®の規格は認証を受けた製品と、その原料の生産や染料の使用など製造プロセスのすべてにおいて、人や環境に有害な成分が含まれていないことを保証します。詳細についてはwww.bluesign.comをご覧ください。

Anti-odor treatments

現在、私たちの製品には、生地のpH値を下げて悪臭菌の発生を防ぐpH Pure™という加工が施されています。この処理には有害な化学物質は含まれておらず、生地の原料となる糸の製造段階で加工されるため、洗濯の際に衣類から流れ出ることはありません。また、天然の抗菌防臭効果を備えたメリノウール製品にはこのpH Pure™加工を行なっていません。デザインだけでなく機能性、耐久性、肌触りなど、ベースレイヤーに求める要素は人それぞれです。Houdiniではそうした要求を満たす多彩なアイテムを揃えていますが、すべての製品を可能なかぎり環境に配慮したものにするよう努めています。

“私たちの誇りは、繊維業界で初めて100% PFASフリーを実現したブランドのひとつであることです”

Organic DWR treatments

DWR(耐久性撥水)加工とは、生地の外側に撥水性をもたせる処理のことで、繊維産業では長年にわたりPFAS(有機フッ素化合物)をベースにした化合物が使用されてきました。しかし、この化学物質は動物にも人間にも有害です。そのためHoudiniでは全廃を決定し、2018年の秋冬コレクション以降、すべての製品においてPFASを完全に使用していません。こうして、私たちは業界で最初にPFASを廃止したブランドのひとつとして実現できたことを誇りに思います。また、このPFASの代わりとして水ベースで、有害物質を含まない完全オーガニックのDWR加工を採用しています。

The importance of the right material

新製品の企画の際、私たちは素材の選択に多くの時間と労力を費やします。快適で機能的、それでいて環境への負荷を最小限に抑える素材を徹底的に追求し、要求を満たすものが見つからない場合は、サプライヤーと協力して新しい素材を開発します。それができなければ、企画自体を取りやめて、製品を生産することはありません。また、私たちは機能的で環境に配慮した素材はさまざまな企業やブランドで共有するべきであり、それを採用する数が多ければ多いほど良いと信じています。そのため、新素材の開発に成功したとしても特許を申請したり、素材の独占権を主張することは決してありません。

All our fabrics and materials

2022春夏コレクションのすべての生地と素材は下記をご参照ください。
Spring and Summer 2022 (PDF).