Run For Your Life with Peppe Lindholm
ランニングコーチでありミュージシャンでもあるペップ・リンドホルム。彼はランニングの技術だけでなく、ランニングを通して人生をより豊かにする方法も教えてくれます。私たちの友人であり、またはクリエイティブパートナー、そして、今回の新しいランニングキャンペーンのキーパーソンでもある彼をご紹介します。
ランニングといえば、距離、スピード、高低差、自己ベストといった数値で語られることが多いスポーツです。しかし、スウェーデン出身のペップ・リンドホルムにとって、ランニングはもっと自由なもの。芸術であり、自己表現であり、生き方そのものです。一般的なコーチングが、技術の向上や効率化、タイム短縮に重点を置くのに対し、ペップのアプローチはまったく異なります。彼が大切にしているのは、”動く喜び”を取り戻すこと。身体の声に耳を傾け、自然の予測できないリズムを受け入れることです。

“野生の中を自力で切り開いて道を探す
——そんな感覚が大好きなんです”
——「道に迷うのが好きなんですよ」とペップは話します。
「普段は自宅近くの森を走っていて、あえて自分がどこにいるのかを気にせず走ることもあります。それがランニングに新たな刺激を与えてくれるし、野生の中で道を探す感覚がたまらないんです。人生には自分ではどうにもできないことがたくさんありますが、自ら決断し、その結果をすぐに体感する——それが心を癒してくれるんです」。
ペップのトレーニングスタイルは、決められたインターバル走や堅苦しいプランとは無縁。
もっと直感的で、自由で、そして心と身体全体を使ったアプローチです。彼は長年のコーチング経験に加え、音楽家としての感性も活かし、ただ走れるようになるだけでなく、「ランニングそのものを楽しめる心」を引き出してくれます。初心者でも、経験豊富なウルトラランナーでも、ペップの目指すゴールは同じです。「ランニングを、もっと自然に、もっと楽に、もっと楽しく」すること。

——「僕はプロのドラマーでもあるので、走っているときもいろいろなリズムを感じるんです。スローミュージックを聴きながら走るのが好きで、不思議なことに遅い音楽のほうが、なぜか速く走れているような気がするんですよ」とペップは笑いながら話します。
「それに、たまには釣り道具を持って走り、途中で釣り休憩をすることもあります。楽しい要素を取り入れると、すべてがより素晴らしい体験になりますね」。

“走るときはスローミュージックを聴くのが好きです。そのほうが、なぜか速く感じるんですよ(笑)”
ペップは「持続可能なムーブメント(動き方)」の提唱者でもあります。彼が伝えたいのは、ただ速く走る技術ではありません。ランニングが人生全体に与えるポジティブな影響——その本質に目を向けてほしいと考えています。彼の哲学の中心にあるのは、マインドフルネス(今この瞬間への意識)と、身体のリズムに耳を傾けること。そして、舗装路から離れ、自然の中に踏み出すこと。地形に身体を適応させ、心を解き放つ。それが、単なるトレーニングを超えた「体験」へと導いてくれます。ペップにとって、ランニングとはタイムを競うことではありません。自分自身と、そして世界と調和しながら動くこと。それこそが、彼の考える「本当のランニング」なのです。
そんなペップに、「ランニングをもっと楽しくする3つのヒント(速く走るためではなく)」を聞いてみました。
ペップが教える3つのランニングアドバイス:
- ときには音楽も機器も手放し、自然の音に耳を澄ませながら走ろう。ペースや距離ではなく、自分の呼吸のリズムに意識を向けることから、新しい発見が生まれる。
- 誰かと一緒に走ろう。たまにはペースを落として、会話を楽しみながら。そこから、生涯のランニング仲間が生まれるかもしれません。
- ランニングを冒険に変えよう。新しい場所を走ることで、世界はぐっと広がります!


