京都店スタッフの青木です。
3月29日・30日の2日間で、バックカントリー初心者・初級者向けのツアー「零一(ゼロイチ)」を開催しました。
インスタグラム上でも触れましたが、長くなってしまうのでブログで振り返っていきたいと思います。
また、バックカントリー(スキー・スノーボード)という遊びの魅力ってどこにあるのだろう。っていう部分についても、改めて筆者目線で書いてみることにしました。
これからバックカントリーに挑戦してみたい人や、イベントに興味ある人の参考になれば幸いです。
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「零一(ゼロイチ)」という名前について
まずはイベント名について。
「零一(ゼロイチ)」…. 中二病のようなネーミングになってしまったんだけど、わかりやすくて覚えやすい名前にしたかった。
バックカントリー(スキー・スノーボード)って、やってみたい気持ちはあるけど、実際に一歩踏み出すのはハードル高い遊びの一つと感じる。
ビーコンなど専門用具の使い方、地形の見方、雪の状態の判断とか、スキー場とは全然違う要素がいっぱいあるし、危険の予測も多岐にわたる。
自分も勿論そのひとり。特に都市に住んでると雪自体に触れる機会も少ないから、余計に構えてしまう。
ただそれでも、雪のない地域に住んでいてもスキーや雪山の楽しさは変わらない。
そしてもし自分がお客さんだったら、ただ道具やウェアを売ってくれるお店じゃなくて、街とフィールドをつないでくれる “ハブ” のような存在のお店があると嬉しい。こんな面白い世界が知れるなら、その入口はウェアや道具でもよいと思うので。このツアーも、そんな場になればいいなと思って企画した。
踏み出しにくいそのハードル(ゼロからイチ)をどう乗り越えるか。そこをテーマにしたく、そのまま“ゼロからイチへ”という意味を込めて零一にした。
漢字にしたのは、なんとなく日本っぽい雰囲気にしたかったから。ちなみに、主催してる「朝会」っていうイベントも同じノリです。
春っぽい時期を狙ったけど…
開催時期は3月末の白馬。春のポカポカした気候で、練習としてもよい時期ということで原田と相談して決めたんだけど……
今年は寒波が頻繁に来る年で、当日は昼間でも気温-5℃
白馬フィールドは標高が高く、森林限界を超えるところも多いので、風が強くて雪が飛ばされてバーンはガリガリになる。
なので、午前中は無理に登らず座学メインにして、午後の天気が良くなったタイミングで軽めのハイクアップに切り替えました。
少人数でじっくり学ぶ
今回の参加者は3名。
まったく初めてっていう人はいなかったが、復習もかねて、地形や天候、雪質の見方についてグループワーク形式で行いました。
少人数だからこそ、参加者それぞれの経験談からも見直しができたり、アットホームな雰囲気で過ごす。
特に店頭でやる講習形式の座学と違って、実際に山を見ながら学べるのも贅沢な時間。
午後は予報通り晴れてきたので、若干の雪の緩みも期待してリフトで上がることにしました。雪も落ち着き、各々自身のギアの使い方等も見直しながら落ち着いたペースで準備。
ゲレンデのトップからハイクアップ開始です。シール登高も緩やかな斜面からやや急な斜面まで、1時間ほどかけて練習。
登ること自体もバックカントリーの楽しみの一つ
滑るときは見過ごしてしまう山の風景も、じっくり堪能できる。
滑るために登る人、登ることが好きな人、山で過ごすのが好きな人、大自然に入りたい人……
ゲレンデを出ると楽しみ方の幅も広がります。
晴れて暖かくなってきた頃に、ビーコンサーチの模擬練習。
この作業も地味で、できればビーコンは使いたくないが、それも含めて遊びの楽しみとして練習。
雪上だと方向感覚や斜度感も変わる。ビーコンサーチも本当は、雪質や気温・天候などで条件が変わるためシーズン前中後行いたい。
雪上に立つ日数自体が少ないと、練習ばかりでも疲れてしまうし、バランスも難しい。
比較的暖かくなったので、1時間ほどじっくり実践。緊張感が出てくる内容だが、ガイド原田の穏やかな雰囲気で場が進む。
お客様着用ウェア:『 more Gore-Tex Jacket 』『 more Gore-Tex Salopette 』Color:Oatmeal
いよいよお待ちかねの滑走タイム!(※画像は2日目のを転用しています)
「上から見た感じは結構よさそう(雪)だね」なんて談笑しながら、先人はガイド原田が滑り始めました。
滑り始めた瞬間、僕らの思い描いていた「いい雪」みたいなものとは全然違う雪質だということがわかった….
表面の雪はやや緩んでいるが、その下に溶けて再び凍ったような氷の層がすぐあって、かなり不安定。
うっすらのった新雪のイメージとは裏腹、ガリガリ削るような滑走音に一同苦笑しながら滑る面を眺める。
登る時間があったからこその滑ることへの期待と、それが崩れた瞬間…..笑
決していい雪ではなかったけど、そういう抑揚の波もバックカントリーの楽しみかもしれない。
ガイド着用ウェア:『 more Gore-Tex Jacket 』『 more Gore-Tex Salopette 』『 Trollveggen superlight850 down Jacket (気温・運動量が低いので、ウェアの上から着用したまま滑走) 』
いざ、滑る!
滑走中のお客様をパシャリ。
関東より参戦いただきありがとうございます!
バエテマス!
スノーボードのお客様も。
スキー以外でも勿論ウェルカムです!
帰りはゲレンデ脇を滑って。
標高・斜面の方角によって雪質が変わる。雪と山を感じながら帰路へ。

楽しみはフィールドだけじゃない
夜は白馬山麓の宿にてガイド原田も宿泊。
ツアー外でガイドと過ごす時間は、よりその人となりも含めて知ることができる。
当日のツアーの振り返りや、彼の滑りの表現活動や旅についても触れていただきました。
振り返って
今回は2日間ツアー内容をギュッと圧縮して、イベントの模様を振り返りました。
「スキーをしたいのに、なんで山に登らなきゃいけないんだ…. 」
そう疑問に思われる方も多いかもしれません。滑れる本数や時間もゲレンデよりは圧倒的に少ない。
それでも登ることの楽しさ、雪質やコンディションの変化も含めて、少しでもバックカントリーの魅力が伝わればいいなと思っています。
そして今回参加いただいた皆様、改めてありがとうございます。
第1回ツアーということもあり、開催できて本当によかったです。
帰りの道中でもガイド原田と色々振り返りながら、「少人数だと会話の密度も高まってよかったね」とか「次回は場所や時期もここがいいあそこがいい」など、
アップデートを重ねつつ、次にも繋げたいと思います!
今後の活動にもご期待ください!
FULLMARKS 京都店
青木