An Environmental Mission

Norrønaがアウトドア・カンパニーとして掲げる目標と成果について透明性を確保することは、パートナー企業とユーザーに信頼を与えるだけではなく、社会的な価値につながります。それは私たちが関わりをもつすべての物事において、地球環境に対する持続可能性が存在することを保証するのです。



自然がなければ、私たちは存在しません

決まりきった表現ですが、行動は言葉よりも雄弁です。そのため、2021年のロードマップを通じて、NorrønaのCSRプロセスを全世界に向けて公開しています。

ロードマップについて知る

2021年を目標としたロードマップの長い旅は終わりました。しかしこれは、Norrønaの創業100周年を迎える2029年へ向かって歩みはじめる出発点であり、より意欲的な目標に挑戦するための通過点です。

Episode.1 The Challenge

地球環境の改善のためにできることとは?

「それはすべてなのです」イノベーション&サステイナビリティ部門のディレクター、ブラッド・ボーレンは次のように述べています。

私たちは長い旅路の途中にいます。その道筋には登りも降りもあり、西へ東へと迂回することもあるでしょう。しかし地球という惑星にはすでに時間的猶予がありません。そのため、たとえ道中で間違いを犯すことがあったとしても、大胆な一歩を踏み出し、可能なかぎり効率的に行動する必要があるのです。

製品がユーザーに届くまでにどういった過程を経ているか、を明らかにすることは非常に困難です。私たちが使用する素材をさらに持続可能なものへと変換することができたならば、より高い満足感をユーザーに提供できるでしょう。カーボン・ニュートラル、またはCO2吸収量が排出量を上回るカーボン・ネガティブな素材を製造し、水資源の消費を抑え、有害な化学物質を使用せず、慣行農業の見直しと資源の効率的な利用により土壌への炭素固定を進めることで、地球温暖化を緩和させることもできます。私たちは、生物多様性減少の一因でもあるモノカルチャーを続けるのではなく、地球上に生物多様性を再構築する道を選ぶべきでしょう。そうすれば、さらに多くの人々が貧困から抜け出し、健康で安全な環境で生活できるようになります。

私たちがすべきことは、これまで続けられてきた垂直統合型の生産システムから、資源を循環させる「クローズド・ループ」へと移行し、積極的な革新を追い求めることです。そして、消費者がより無駄の少ない、新たな購買パターンや消費サイクルに加わることでさらに多くの問題を解決し、18世紀後半の産業革命のように世界に変革をもたらすことができるのです。

未来をより良くするためのミッションは終わることのない挑戦ですが、私たちを導くスタートとゴールは常に必要です。そしてゴールに至るための目標は、私たちを高い地点や新たな地平の先へと引き寄せる磁石のようなものです。それは私たちの目の焦点をあわせ、私たちの心に決意を灯し、私たちの力に目的を与えます。すなわち目標とは、夢を実現するための可能性なのです。2021年のロードマップの旅が終わった今、Norrønaの創業100周年である2029年に向けて、はるかに野心的な目標を掲げたロードマップは、私たちをさらに高い到達点へと導いていきます。

Episode.2 The Roadmap

2029ロードマップの土台となるもの

2029年に向けたロードマップは、炭素排出量の削減、清浄な水資源と空気の維持、豊かな土壌の保全、森林と草原の保護、そしてNorrøna製品のサプライチェーン全体に関わるすべての労働者の権利と安全を保証することによって、地球の生物多様性を改善する取り組みに基づいています。とブラッド・ボーレンは述べています。

Episode.3 Footprints

2029年までの目標は、地球資源の使用を削減するために可能な限りすべてを再利用し、再利用できないものについてはリサイクルをすることです。これは私たちの地球と次世代のため、アウトドア業界全体の共同作業として対処すべきであり、その取り組みに向けた総合的なアプローチなのです。そしてNorrønaは国連が掲げる持続可能な開発目標「SDGs」とともに、地球における人類の平和と繁栄を確実なものとなるように努めます。

2029年に向けたロードマップではさらに野心的な目標を掲げ、そのゴールに到達するまでの数年間のアウトドア・ビジネスにおいて、Norrønaがいかに企業的責任を果たしていくかを提示します。

Episode.4 Sustainable Fabrics

Norrønaは地球環境の改善へ向けた道程において炭素排出量を削減し、吸収量と排出量の均衡を目指します

この難題を成し遂げるために、今後の5年間で多くの問いかけに答える必要があります。そのひとつは、土壌と野生生物の健全性を保つことです。天然炭素を自然界に閉じ込めるとともに、炭素排出量を削減することは、地球がよりバランスのとれた方法で本来持ち合わせている処理能力を促進することにつながります。私たちは森林を保護しなければなりませんが、単純に植林をするだけでは不十分であり、木々を伐採して加工したあとは、炭素排出量を削減しながら樹木を植え直して、豊かな生態系を取り戻す必要があるのです。また生物多様性を確保するために、可能なかぎり単一栽培は避けるべきであると考えられます。

動物には5つの自由(飢え、乾きからの自由。不快からの自由。痛み、負傷、病気からの自由。本来の行動ができる自由。恐怖、抑圧からの自由)があり、保護が必要です。そして廃棄物をゼロに近づけるためには、抜本的かつ大幅な削減が求められます。使い捨てプラスチックは過去のものでなければなりません。使用されるすべてのプラスチックは再利用して新たな製品へと生まれ変わり、廃棄物はリサイクルされ、リサイクルできないものは分解させる必要があります。

有害な化学物質が空気、水、または土壌を通じて自然環境に放出されることは許されません。プロダクトが製造される過程や、アウトドア・カンパニーとして辿ってきた歩みを測定できるよう、完全なトレーサビリティを必要とし、Norrønaが講じるすべての行動はパートナー企業や競合他社との協力を通じで行われます。そこでは持続可能な開発目標「SDGs」を規範とし、地球環境と人々の生活を改善するために取り組んでいきます。

“この新しいロードマップは、すべての人を改善のための正しい方向に引き寄せる磁石となるでしょう。これによって、私たちはゴールに近づくことができ、成功へ向けての確かな一歩を踏み出すことを可能にするのです”

– Brad Boren, Director of innovation and sustainability

Episode.5 Sustainable Product

私たちの立場はファストファッションと対峙するものなのか?

上質なワインが月日を経て価値を高めていくように、時代を超越した製品を生み出すことがNorrønaにとっての成功と言えます。ユーザーの信頼を勝ち得る品質を実現するために、製品開発とテストに3〜4年を費やしています。これは無駄な犠牲ではなく未来への投資で、成功の証はユーザーがNorrøna製品をどれだけ長く使い続けることができるかであり、まったく修理を必要としない場合は最大限の成功を意味します。

購入からわずか半年で買い替えるようなファッションは持続可能ではありません。購入した衣服を半年後にリサイクルボックスに入れたとしても、回収した古着からリサイクル可能なものを分別する必要があり、さらに細かく裁断したのちに化学的または機械的にリサイクルされます。化学分解により中間材料に戻したうえで再生するケミカル・リサイクル(化学的再生法)は耐久性に優れた新しい繊維を生み出しますが、環境への悪影響が大きくなります。一方、使用済み製品を選別、粉砕、洗浄したのちにペレット化して再生するメカニカル・リサイクル(物理的再生法)は環境負荷が小さくなりますが、耐久性は劣ります。まっさらな化石燃料を使用するよりは進歩的ですが、いずれの方法でも地球環境へ負荷を与えることに変わりはなく、購入した製品を長期間にわたって使用するほうが、はるかに環境負荷が少ないことは明白です。より高品質で、機能性とデザイン性、そして持続可能性を備えることがロングラスティング・プロダクトの開発につながるうえ、社会により良い影響を与えることができるとNorrønaは考えています。

単一の製品ではなくコレクション全体に変化をもたらすべきか?

どの企業も持続可能な製品を作ることができます。しかし、それだけでは地球を救うには十分ではありません。大切なことは、どの製品が最も持続可能性が低いかを把握し、それに対していかに改善のための行動をとるかということです。単一の製品をサステイナブルなものとして強調することは、持続可能性の核心から外れています。ブランドや小売業者は、個々の製品ではなく、コレクション全体で持続可能性を判断するべきです。そのためNorrønaは総合的な製品ラインナップを蔑ろにして、単一の製品だけサステイナブルを売り文句にするようなマーケティングとは距離をおきます。これは、教育者が「落ちこぼれを放置しない」という理念をもつものと同様です。すべての人が苦しんでいる中、1人だけを救うようなことはしません。すべてを救うために挑戦するべきです。持続可能な製品を作ることで、深刻な大気汚染、山火事、洪水、干ばつ、大嵐の中での生活を強いられている人々を実際に救い出すことができます。Norrønaの2029年に向けたロードマップは、そういった私たちの課題をすべて把握し、改善方法を見つけるための知恵を授けてくれるものでもあります。

Ep.6 Look Towards The Future

いかにして繊維産業とアパレル業界の変革に貢献できるか?

1929年の創業以来、Norrønaは90年以上にわたって積み上げてきた知識に加え、情熱と信念をもって高品質な製品開発・製造につとめてきました。ユーザーの利益へとつながる高い品質、機能性、時代を超越したデザインを提供する製品は、開発の段階から試験とフィールドテストに十分な時間を費やしたうえで、生産されています。また長く使い続けることができるよう、創業初期から修理に力を入れています。

しかし、私たちは創業当初から地球温暖化と海洋、河川、湖、大気への汚染を引き起こしてきたことを認識しています。有毒な化学物質や廃棄物に対して、責任を担わない行動が常態化されていた業界の一員です。そのため、現在のNorrønaはソリューション志向であり、より持続可能性に優れた素材と生産施設に投資をし、持続可能な社会の実現に向けてパートナー企業や競合他社との協力体制を築き上げることに専念してきました。

“創業の1929年以来、Norrønaは90年以上積み重ねてきた知識をもち、情熱的かつ献身的に、可能なかぎり高い品質の製品を開発し、生産してきました”

– Brad Boren, Director of innovation and sustainability

Norrønaは、規模の大小を問わず企業同士が協力し合うことで、積極的な変革がもたらされることを証明するために取り組んでいます。同時に大企業に対し、すべての企業を正しい方向へと導く行動規範、生産技術、組織構造の改善に協力するよう求めています。サステイナビリティをビジネスにおける競争上の武器として使用し、協力体制を築くことなく独善的にクリーン・テクノロジーを市場に投入している企業は、持続可能性の要点を見逃しています。地球は、断続的な衰退から脱却するためのオープンソースと、それを使用する私たち全員を必要としているのです。

Norrønaは、繊維産業が環境に与える影響を軽減するための非営利団体「テキスタイル・エクスチェンジ」および、環境負荷を最小限に抑えるサプライチェーン構造と労働環境の改善を目指す「サステイナブル・アパレル連合(SAC)」における諮問グループに参加しています。テキスタイル・エクスチェンジでは、素材に使用される繊維を改善するために協力しています。そのなかでもウールやコットンといった天然繊維の場合には、農場で働く人々の生活を改善しながら、全体的な負荷を最小限に抑え、最も環境に配慮した方法で作られるように注視しています。またSACが開発した環境・社会負荷の測定ツール「Higg Index」においては、テストと改善に取り組んできました。それが現在、消費者や小売業者が製品、工場、ブランドの持続可能性と社会的責任を知る手立てとなっています。同様に、オランダのアムステルダムで設立された世界初のサステイナブル・ファッション・ミュージアム「ファッション・フォー・グッド」のパートナーでもあり、アウトドア・アパレル業界への新たな変革を促進するために協力しています。さらに「STICA(気候変動対策のためのスウェーデン繊維イニシアチブ)」との協力体制を敷いて、二酸化炭素排出量を測定しています。

企業間のコラボレーションを通じて全員が協力することで重複した取り組みを減らし、これまでとは違った改善方法を生み出すことができると私たちは信じています

原材料の生産、製品や生地の製造にあたる人々の労働条件の改善のためグローバルに活動する「倫理取引イニシアチブ(ETI)」や、社会環境の向上に取り組むさまざまなプロジェクトとも協力関係にあります。重要なことは、小規模または中規模の組織であるNorrønaが社会に影響を与えることができ、そして実際に与える影響を証明することです。それは中小企業もより大きな責任を担い、企業規模の大小を問わずに繊維業界が協力し合い機能することを示します。これにより、中小企業の膨大な事務処理による廃業を防ぎ、革新のために費やしてきたコストや時間も報われます。

正しい道筋を歩むためにはその複雑さを軽減しながら、透明性と積極性を備えたイノベーションを推進する必要があります。改善に向けた競争は、ともに相互の尊重を持って行わなければなりません。多くの場合、企業は自分たちが最初であることを示そうと競い合ってきました。しかし、これでは地球第一主義からかけ離れてしまいます。地球のために懸命に働き、努力している企業は報われるべきですが、ともに話し合い協力することが重要であり、数百もしくは数千の企業が同じ方向へと前進できたならば、その勢いは暗雲を吹き飛ばすものとなり、めざましい進歩と効果的な改善をもたらすことは明らかです。

もしも企業が、自社がいかに社会福祉と持続可能性に優れているかを誇示し続け、その実績を掲げるために緩慢になるのであれば、唯一の敗者は母なる地球と、そこを住処とするすべての生き物になるのです。

透明性が重要である理由とは?

私たちは創業以来90年以上にわたって、たびたび間違いを犯してきました。しかしながら、今なお学習と改善を続けているのは、これらの間違いのためです。私たちのような中小企業おいて、完全な透明性を確立しようとする理想は、世界最高の製品を開発するためのリソース(人材・物資・資金・情報・時間などビジネスに必要な資源)の量と矛盾していることがあります。透明性とイノベーション同時に達成することが私たちの願いですが、書類やデータの作成よりも実際の行動を優先してビジネスが進められる場合があるからです。

規模が小さな企業にとっては、できるだけ会社を強固なものにし、可能なかぎり顧客満足度を向上させるため、全員が効率的に働く必要があります。そのなかで、膨大な書類作成やデータ処理に時間を費やすことは、本来の目標達成から遠ざかっているような思いに陥る原因となります。しかし、私たちの取り組みを確実なものとし、パートナー企業やユーザーからの信頼を得るためには、記録やデータが必要であることを学びました。だからこそ、Norrønaは社内でのデータ能力の開発に投資してきました。これによって、限られたリソースをより効果的に使用できるようになり、そこから得られたデータは、私たちのすべての取り組み対しての「信頼に値する唯一の情報源」として提供することを可能にしています。

“私たちは、完全な透明性に向けてさらに取り組んでいきます。期待を上回るフィット感や着心地、優れた機能性をユーザーに感じでもらうだけが目的ではありません。Norrøna製品を手に入れることが、地球環境の改善と、生産・製造に関わるすべての人々の生活の向上に起因することを誇りに思い、そして尊重していただけることを願っています”

– Brad Boren, Director of innovation and sustainability

これまで多様な他業界との協力に投資をすることで持続可能性への理解を促進し、消費者が私たちの優先事項と行動を明確に把握できるようにするために、前例のない方法論を構築してきました。私たちはこれからも完全な透明性に向けての歩みを止めることはありません。私たちはNorrøna製品のフィット感、着心地、機能性が想像以上のものであるとユーザー全員に感じでもらうことを望んでいますが、それと同時に、Norrøna製品を手にすることが地球環境と、原材料の生産や製品の製造に関わるすべての人々の生活環境の改善につながっていくということに価値を感じてもらえるよう願っています。私たちは決して完璧ではありません。しかし、私たちは可能なかぎり透明性を確保し、より良い変革をもたらすための意欲をもって取り組み続けていきます。

“私たちの目的は、向かうべきゴールと解決のための根拠を共有することであり、それが繊維業界に利益をもたらします。そしてこれによって、地球環境の改善へと挑む私たちと、その長い旅路をともに歩むすべての人々が、より強い絆で結ばれたパートナーとなるのです”

– Brad Boren, Director of innovation and sustainability