Christine Hargin
ウィンターシーズンを振り返る

Christine Harginはピッツアよりも寿司を好むが、あれこれわがままを言うタイプの女性というわけではない。

ストックホルムのアパートの自室では、金曜日の夜にカウチでビールを飲んでいることが多い。でもChristine Harginがこんな金曜日を過ごしている期間はそれほど長くはない。スキーシーズン中は、母国にいるよりも世界中を旅していることが多いのだ。昨年、彼女はカナダに1ヶ月間滞在してヴァンの中で寝泊まりし、アラスカの僻地ではテントで生活をし、アルプスでは兄弟と共に過ごし、フリーライド・ワールド・ツアーでは世界中を駆け回った。

– 新たなシーズンに向けての準備は万端ですか?今シーズンの計画を教えて下さい。

フリーライド・ワールド・ツアーにもう一度参加する予定です。とても楽しみにしています。Eva Walkner と Nadine Wallner とは再びアラスカに行く予定で、Norrønaの撮影もありますね。それと、Xトラベルとのツアーもいくつか予定していますが、詳細はまだ決定していません。

– 昨年のアラスカでは何が起きたのですか?

Nadine Wallner が不運にも落下して足を折ってしまったため、制作会社と話し合った結果、計画を延期することにしました。Nadineにはチームに残ってもらいたかったのです。

– 昨年を総括するとどんな感じでしたか?

競技の面ではベストとは言えません。これは2013年に負った怪我の影響が大きいためです。足首に怪我をしたため、その年の残りの競技に参加することができず、競技に再び参加するためのリハビリトレーニングに多大な時間を費やしましたが、次のシーズンではすっかり用心深くなってしまいました。もう一度怪我をしてしまったら、シーズンの終わりに計画されている映画の撮影には出演できなくなってしまう可能性があるからです。これは悲しいことでした。競技に臨むマインドをセッティングするにも時間がかかりました。

– でも頻繁にスキーに行かなくてはならなかったわけですよね?

そうです。僻地で何日間も過ごしたりもしましたが、それはシーズン中の私の主な目標でもありました。私は何が何でも勝ちたいという競争心があるわけではないので、私が落胆した理由はそこではありません。自分自身が設定している期待値が非常に高く、もっとうまくできたのではないかと感じると落ち込んでしまうのです。

– 昨年あなたはフリーライドの競技にフォーカスして多数の大会に出場されていましたが、最近は映画の仕事に熱心なようですね。競技と映画の一番大きな違いは何でしょうか?

映画のプロジェクトに関われることはとてもエキサイティングですが、非常にシビアな仕事です。間違いを犯さないことと、忍耐力が求められますからね。自分の限界まで挑戦してレベルの高いパフォーマンスを達成することに集中する一方、自分の安全を絶えず視野に入れて、現状を冷静に見つめなければなりません。競技では、スキーをする前にたくさんのスタッフが安全性の問題について確認しますが、映画では全員がそれぞれ責任をもって状況をチェックし、たとえガイドがいたとしても、スキーをするか否かは私の判断にかかっています。

– ロフォーテン諸島では恐ろしい雪崩に遭遇したそうですが、その時の様子をお聞きできますか?

それはウォームアップしている時でした。突然雪山に亀裂が入り、私は足下をすくわれました。ラッキーなことに、頭まで雪に埋もれることはなかったのですが、本当に恐ろしい体験でした。これは自然が発した重要なサインではないかとも思いました。このような出来事を体験してしまうと周りを取り巻く環境に対してより敏感になります。この雪崩はそれほど甚大なものではありませんでしたが、雪面がさらに大きく、険しい岩場で形成されていたら大変な惨事になった可能性があります。

– この出来事以外では、ロフォーテン諸島の印象はいかがですか?

夢のような一週間でした。標高の高い山々の自然が織り成す、信じられないような美しさと、果てしなく広がる海洋には本当に感動しました。普段はこんなにハイキングをすることはないので、自分への投資になったと思います。スキーをする時間はいつもより少なかったですが、アラスカ旅行へのウォームアップ期間としては最高でした。いつかまたロフォーテン諸島に戻りたいです!

– 世界で最高レベルのスキーヤーになるためには、何が必要でしょうか?

トレーニングとスキーをたくさん重ねることですね。私は全力を尽くしていますが、時間がかかりますし、努力も必要です。半端なスタンスでは絶対に無理です。


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