1991年ごろからスタートしたような記憶があるHESTRA GLOVESとのお付合い。かれこれ25年の歳月が過ぎ、当時20代だった私は次のシーズンには50歳という大台に突入。HESTRA社は順風満帆に成長を遂げ先日の出張の際には80周年記念の盛大なパーティに参加させていただいた。

SWEDENの森の中にあるHESTRAという町で1936年に始まったこの会社は私がお付合いを始めた当時、創始者の孫である第3世代が会社の経営を行い彼らの子供たちである第4世代はまだ小さな子供たちであった。安定したファミリービジネスでありながら、世界的に少なくなったテーブルカットのドレスグローブの作り手になるべく、第4世代自ら勉強して資格を取るという新たな挑戦も欠かさずに行ってきたクラフトマンシップへの誇りを持つ素晴らしいブランドである。

ちょうど1年前の今頃HESTRA社のインターナショナルセールスミーティングで「WAKAYAMA」というグローブが発表された。正確に言えば、ミーティングのために集まった前夜祭での席上だいぶ酒の入った私の元にニコニコした社長がやってきて、「WAKA、明日君にサプライズがあるよ」って言いながらグラスをあわせてきた。隣で一緒に飲んでいたアメリカのディストリビューターのマークが、「お前のグローブだよ!」ってバラしちゃって知ることとなったのだ。どうやら事前に資料を送っていたらしくみんなそのことを知っていたらしい、ということは後でうちの会社で20年HESTRA GLOVESの担当をしている天野くんから聞いたのだけど。

とても光栄なことで素晴らしく喜ばしいことであるのは間違いない。しかし、実際に商品を見て感じたのは「かっこいいじゃない!」っていうのと名前は止めて…という思い。売れなかったら困るし、日本のマーケットで社長が自分の名前付けてる、と思われることももちろん嫌だったから。そして1年で無くなったらもっと嫌だなっていう思いも。

とはいえ、もう名前を変えることなど不可能で素直に受け入れるしかない状況になり、日本での販売にはうちの販促チームが色々と手を打ってくれて広告などにも使用されるモデルになった。もしかしたら無言のプレッシャーを与えていたのであれば大変申し訳ない。が、一応断っておくがそのようなつもりはなかった。

そして今年のHESTRAのインターナショナルセールスミーティングで今季世界で一番売れてる商品の発表でなんとArmy Leather Patrolというグローブと一緒にBEST SELLERの称号を頂いたのだ。さらに来季はすべての色を継続し、1カラー追加になるということに。とりあえず1年で終わらなかったことに安堵している自分と「どうだ〜!」って自分もちょっといる。

皆様の変わらぬ応援に感謝しつつ、この冬もみなさんと一緒に滑ることを心から楽しみしております。

わか