わざわざ日本まで滑りに来る理由、それはもちろんJAPOWなどと言われる「パウダースノー」であることは間違いない。もちろんここ数年の外国人スキーヤー、スノーボーダーの増加はパウダー狙いだった彼らが日本の雪もしくはどれだけ自分たちが滑った斜面や雪が良かったのかをまぁ多少の誇張も含めて宣伝することによって一般層にまで広がったわけだが、最近ではアジア圏の方々が滑る姿をよく目撃するようになった。このアジア圏の方々の多くや、またリゾート型のスキー場で見かける家族スキー、スノーボードを楽しむ外国人の方々は基本ゲレンデで滑ることをメインに考えているようで、山に入る装備などはなく、知識も含めてほぼいわゆる山岳の初心者であると思われる。

スキー場によって違うとは思うが、10年くらい前まで滑ることができなかった斜面が最近ではパウダーを求めて滑りに来た外国人の傍若無人な振る舞い(?)に業を煮やしたスキー場が「自己責任」という便利な言葉を持ち出し、オフピステやトゥリーランの一部解禁に至ったように思う。これはもちろんすべての斜面がその対象ではないにしても日本のコアな滑り手にとっては願ったり叶ったりであることは間違いない。こうなるとなし崩し的にどこも自由に滑ることができるような気になるのだが、果たしてそれは正しいことではなく、やはり立ち入ってはならない斜面は存在するのである。それにしても本当に多くのスキー場で、「ここもいいの?」と以前であればパトロールの方に注意されたであろうと思うようなところを開放している。

白馬エリアで早くからその門戸を開放し外国人たちにはとても有名なスキー場がある。そこでの滑りの楽しさからか、同じ白馬のエリアでもなかなかその門戸を開放しなかった、もしくは今も開放はしてないスキー場・斜面を「開放されたスキー場」と同じ感覚で滑ることは勘違いであったとしても本来あってはならないことであり、山の性格や雪の積もり方、天候などもっともっと注意深くならなくてはならないのである。なにしろ、滑る側はその命をかけているわけであるのだから。そして一人で山に入るリスクや、周りの人への影響なども考慮しての滑走が基本になるのであるが、「開放されたスキー場」と勘違いするような方々には残念ながらそのような配慮や思慮深さはないのかもしれない。

言い方に語弊があれば大変申し訳ないのであるが、日本に遊びに来ている外国人の滑り手の中には「旅の恥はかき捨て」的な、どこか少し日本を日本人を蔑んでみているような人もいるのではないだろうか。外国人のすべてではないだろうし、日本人にもこういう人はいるのであろうが、ローカルやその門戸を開放するために努力を重ねたすべての人たちの努力を踏みにじる行為は当然許されることではなく、事故が起きた際の捜索などがこういう努力を重ねた人の手で行われていることも再度認識してもらいたい。

シーズン後半、みんなが楽しく滑るためにお互いを配慮し合い、尊重しあって滑ることを願ってやまない。

わか