POC社の新しいアジアエリア担当C氏が来日。いつものように色々仕事以外の交流を図ろうと画策しているところに、「ディナーなんだけど私はベジタリアンなので、面倒かけて申し訳ない」ってメールが。それでも「食べたいものは和食で、好きなものは”Agedashidofu”」とのこと。もちろん前情報はうれしいし、ある意味慣れてるところもあるのでどうにでもなるかと思っていたら、この日は祝日の月曜日。野毛の予定していたお店はなんとほぼクローズ。

日本のクラフトビールのお店なんでもあるだろう居酒屋もダメ。わかってはいたつもりだったが、日本食って意外にベジタリン向きではないということを再認識させられる羽目に。せっかく日本に来て、「なんでもいいから気を使わないで」と言われてもそりゃこっちだって頑張ってうまいものでもてなしたい。しかしながらかなり難しい。まぁ通常の営業日であればそれなりの大きな居酒屋か、ある程度融通の効く居酒屋さんならどうにでもなるかとは思う。何しろ今回の彼はビーガンでなく、肉と魚を食べないだけだったから。

いわゆるベジタリアンにも色々あって、肉は食べないけど、魚は大丈夫とか、卵は食べる、もしくは食べない、出汁は?肉も鶏肉はいいとか。本当に人それぞれでかなりベジタリアンと言っても実はかなり幅が広いのである。数年前にやってきたHOUDINI社の4人はそれぞれがそれぞれの食の趣向を持ち、じゃあどこ行こうかってのがいつもちょー難問になる始末。ちなみにその時は、魚を食べない人=寿司刺身天ぷら系ダメ、肉を食べない&魚も極力食べない人=ほぼベジタリアン、4本足の肉は食べない人=焼き鳥と魚は大丈夫、なんでも食べる人。という4人。一番かわいそうだったのはなんでも食べれる、そして日本食を楽しみにしてきた人。

さて、外国人のこういう傾向はけっこういい感じに日本でも流行ってくるであろうと思うと、そのうちあっちこちでこういう日本人に会うことになるかもしれない、というよりもワタクシ自身も2年前に半年間だけ「肉断ち」をしてみたことがあり、今思えばその際にはみなさんにご迷惑をおかけしたことだろう。
海外に行くと特段の不便は感じないが、すばらしい食文化がしっかりとなりたっている日本だとなかなかこの新しい食の傾向にはたち向かい辛いのかも。もちろん冒頭に書いたような揚げ出し豆腐などビーガンでなければ食べられる可能性のあるベジタリアンの人でも食べられるメニューも多くの飲食店では昔から用意されているけど、それらはあくまでもベジタリアンの人のためのものではないのであって、そういうこと考えた結果でもない。

外国人の観光客に楽しんで帰ってもらうために何ができるのか、そういう食の嗜好や宗教的なタブーなどへの対応は日本は外国から見た時にかなり遅れた国であることは間違いない。オリンピック・パラリンピックまでに対応できるようになっているといいんだけど。

わか

写真はまったく本文に関係なく、大阪で初めて食べた「かすうどん」。深夜の酒の後に久しぶりに食べた炭水化物。悪くないけど癖にならないようにしないと…